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2008年02月19日

布団の基地

 寝る時間になると、竹二郎は父ちゃんの布団に入ってきて一緒に基地を作る。

 壊れかけの小さなおもちゃを持ってきて、空想の話をする。それも小さい声で。それがちょー楽しい。

 昨夜は環太郎のお守りを持ってきた。

 「これね、思いがね、本当になるよ」

 「それ、修学旅行で環が買ってきたお守りやっし」

 「さっき話したらね、竹にくれるっていいよった」

 「環の大切なお土産だよ。悲しむはずよ」

 「・・・」

 「今言って聞いといで。くれるって言えばもらえばいいし、くれなかったら解せば言いやろ?」

 「環太郎は竹のこといじめるしっー・・・」

 「宝物取ったら、悲しむはずよ。寝る前に言ってごらん。明日になればもっと悲しむよ」

 寝そうになった環太郎のところへ走っていって聞いた。

 「環ちゃん、これ、竹にくれる?」

 「…え~。あっ、これはだめだよ。ありがとう、竹ちゃん」

 基地に帰ってくると、向こうむきに小さく固まった。

 「竹ちゃん、えらいなー。お守り返してえらいなー。環もありがとうって嬉しそうだったよなー。えらいなー」

 ショボッとなったまま、元なし。

 「ちょっと待っててよ」。布団から出て、竹にお守りを取ってきた。ペットボトルのキャップに塩が入ったお守り。

 基地に入って、「竹にこれ、あげようね。竹のお守り」

 元なし竹が、ニコーッと笑って「ありがとう」っていった。笑いながらお守りを持つ竹二郎。1分たつと寝りよった。

 僕が「やってあげた」ことだけど、僕よりはるかに光っていた。環太郎がやさしかった。竹二郎がありがたく思えた。






 

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